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Web制作者が顧問型サービス中心のビジネスモデルに変える方法
Web制作者が顧問型サービス中心のビジネスモデルに変える方法を解説する記事のアイキャッチ

「顧問のような形で継続契約を受けたいのですが、何を売ればいいのか分かりません」

制作中心の働き方を変えたいという方から、こうした相談を受けることが増えました。

サイトを作れる人は、この数年で確実に増えました。その一方で、「そもそも何を作ればいいのか分からない」と言うクライアントは、もっと増えています。

理由は、打ち手の数が増えたことにあります。少し前まで、地域のお店や中小企業が集客に使うものは、ホームページとチラシくらいでした。いまはInstagram、LINE公式アカウント、Googleビジネスプロフィール、口コミサイト、動画と選択肢が並んでいます。ひとつずつは誰でも触れますが、どれから手をつけて、どの順番で組み合わせるかを決められる人が社内にいません。

この状態で作る仕事だけを受け続けると、

「他社さんだと、もう少し安くできると言われまして」

という比較にさらされます。作る作業そのものは、他の制作者と並べて値段を比べられるからです。そして納品が終われば、来月の売上はまたゼロから積み直しになります。

だからといって、「顧問」と名乗れば毎月お金をもらえるわけではありません。何を約束し、何は約束しないのかを決めないまま始めた顧問契約は、いずれ必ず切れます。

この記事では、

  • 顧問型サービスとは、何を売る契約なのか
  • 制作・運用代行・伴走型・顧問型の4段階と、自分がいまどこにいるか
  • 顧問型を名乗る前に用意するもの3つ
  • 切れる顧問契約と、続く顧問契約を分けるもの

を、来月から提案できる形まで落として解説します。

これまで200人以上の制作者を支援してきた経験をもとに、2026年6月時点で実際に成立している顧問型の中身をまとめます。

結論

  • ・顧問型サービスとは、作るのではなく「次に何をやるか」を一緒に決める月額契約です。
  • ・求められている理由はAIではありません。作る対象がSNSまで増えて、組み合わせる人が足りないからです。
  • ・制作(単発)→運用代行→伴走型→顧問型の4段階で、報酬は納品ごとから毎月に変わります。
  • ・ただし、クライアントの事業が伸びていない顧問契約は必ず切れます。片方だけが得をする関係は続きません。

この記事に出てくる金額と期間は、いずれも自社の契約・指導実績にもとづく目安で、市場の相場や調査の数値を示すものではありません(2026年6月時点)。

顧問型サービスとは、次に何をやるかを一緒に決める契約

顧問型サービスとは、サイトを作るのではなく、次に何をやるかをクライアントと一緒に決め、成果が出るまで寄り添いながら伴走する月額契約のことです。

売っているのは作業ではなく、判断への関与です。

本体は2つです。作った後の運用と、お客様の成長・成功にフォーカスした関わりです。

この2つが入っていない月額契約は、顧問型ではありません。保守です。

顧問型は、伴走型を否定する言葉ではありません。

私は「伴走型、もっと言うと顧問型」という言い方をしています。別物ではなく、段階です。

顧問型サービスとは何か

顧問型サービスとは、Webサイトやその他の施策について、次に何をやるかをクライアントと一緒に決め、成果が出るまで寄り添いながら伴走する月額契約のことです。

「作る」が含まれていないわけではありません。含まれていても、中心ではありません。

中心にあるのは判断です。今月の数字を見て、来月やることを決める。

その場に毎月いることが商品です。

顧問と名乗ると、呼ばれ方が変わります。「作ってくれる人」ではなく「相談する人」になります。

制作の仕事がなくなるわけではない

顧問型に移っても、制作の仕事は残ります。出どころが変わるだけです。

外から取ってくる制作から、契約の中で発生する制作に変わります。

「今月はこのページを足しましょう」と自分で決めた仕事が、翌月の制作になります。

だから「作る仕事を捨てろ」という話ではありません。取り方が変わるだけです。

保守と運用支援で請求できる金額の差は、保守と運用支援で請求できる金額はどう変わるかで扱っています。

「作るだけ」の仕事が減る本当の理由は、AIではない

作るだけの仕事が減る原因はAIではありません。Webサイトに加えてSNS、Googleビジネスプロフィール、広告、動画と、作る対象そのものが増えたからです。

増えた結果、足りなくなったのは作る人ではなく、組み合わせを決める人です。

この話は、たいてい「AIで誰でも作れるようになったから、単純作業は消える」と説明され、だから次はSEOやマーケティングを学びましょう、と続きます。

この説明は、原因のところだけが間違っています。

原因は需要の側にあります。クライアントがやるべきとされることの数が、この10年で増え続けました。

AIが原因なら、作る仕事自体が減っているはず

AIが原因なら、作る仕事の総量が減るはずです。実際は逆に動いています。

サイトを作り、SNSを立て、動画を撮り、広告のバナーを差し替える。作るものは増え続けています。

減っているのは仕事の量ではありません。1本あたりの単価と、任される役割の幅です。

「AIで作れる」と「AIで決められる」は別の話です。

AIが作れるのは、形です。どのページを増やすか、SNSを続けるか、広告を止めるかは決まりません。

決めるには、その会社の商売と、今月の数字の両方を知っている必要があります。

時期主に作るもの依頼のされ方
以前Webサイト作ってほしい
サイト・SNS・広告どれをやるべきか

「今」の列には、まだ入るものがあります。Googleビジネスプロフィール、動画、メルマガ、LINE公式アカウント。

どれも「やったほうがいい」と言われ、どれも片手間では回りません。

そして、この全部を社内で見ている人がいません。中小企業の多くに、専任のWeb担当者がいないからです。

以前はWebサイトだけだった作る対象がサイト・SNS・広告・動画に増え、束ねて決める人がいないことを示した構造図

クライアントは「作りたい」のではなく「決めたい」

見積依頼の中身が変わってきました。

以前は「とりあえずこのページを作っておいてもらえますか」でした。

今は「何をやればいいか相談したい」から始まります。打ち合わせで一番よく聞く言葉も「次は何をやればいいですか」に変わりました。

クライアントの頭の中はこうです。全部やらないといけない気がするが、どれから手をつければいいか分からない。

この状態が、顧問型サービスの需要そのものです。求められているのは、施策をうまく組み合わせながら、成果が出るように一緒に相談し、一緒に解決していく立ち位置です。この変化に気づいた制作者だけが、見積書ではなく契約書を出せます。

注意

  • 「AIに仕事を奪われる」と原因を置くと、対策もスキル習得の方向に逸れます。
  • 起きているのは、作る対象が増えて、決められる人が足りないことです。
  • 原因を取り違えると、新しいツールを覚え続けるだけで終わります。

淘汰されるのは制作者ではなく、言われたものだけを作る役割です。

作る量を増やす方向で解こうとするとどうなるかは、作業を増やしても利益が増えない理由に書いています。

制作・運用代行・伴走型・顧問型の4段階

制作、運用代行、伴走型、顧問型の4段階があります。分かれ目は作業量ではなく、次に何をやるかを誰が決めるかです。

制作と運用代行はクライアントが決め、伴走型は一緒に決め、顧問型は決め方そのものを設計します。

段階売るもの次を決める人
制作成果物クライアント
運用代行決まった作業クライアント
伴走型相談と提案一緒に決める
顧問型判断への関与決め方から設計
制作から顧問型までの4段階を、次に何をやるかを決めるのがクライアントか一緒に決めるかで分けた構造図

この4段階は、上に行くほど偉いという話ではありません。

伴走型で足りる相手もいます。顧問型は上位互換ではなく、関与が一段深い形です。

一番分かりにくいのは、運用代行と伴走型の差です。

運用代行は「このページを直してください」に応える仕事です。指示はクライアントから来ます。

伴走型は「今月はここを直しましょう」と自分から出す仕事です。指示の出どころが入れ替わります。

顧問型はもう一段先です。何を目標にするか、どの順番で手をつけるかまで一緒に設計します。

伴走支援には公的な定義がある

伴走支援には、国が示している定義があります。

伴走支援とは(中小企業基盤整備機構 伴走支援プラットフォーム)は、対話と傾聴で経営者に本質的な課題への気づきを促し、自走化を促す支援方法だと説明しています。

ここで取り出したいのは1点だけです。課題解決型ではなく、課題設定型だという点です。

言われた課題を解くのではなく、課題そのものを一緒に決めます。

Webの現場には、この「課題を設定する人」がいません。だから制作者がその位置に入れます。

自分が今どの段階にいるかは、1つの質問で分かる

判定に使う質問は1つだけです。「来月やることを、誰が決めていますか」。

クライアントが決めて、あなたが受け取っているなら1段階目か2段階目です。

打ち合わせで一緒に決めているなら3段階目です。目標や進め方まで設計しているなら顧問型です。

多くの制作者は2段階目にいます。ここから3段階目に上がるところが、最初の分かれ目です。

段階は相手ごとに違います。同じあなたでも、A社では2段階目、B社では3段階目ということが起きます。

だから全社を一度に動かす必要はありません。1社ずつ上げていきます。

月額のメニューを部品に分けて組む手順は、月額メニューを6つの部品で組む手順にまとめています。

顧問型を名乗る前に用意するもの3つ

顧問型に必要なのは新しい技術ではありません。毎月出すもの、毎月会う場、数字を見る道具の3つです。

この3つが無いまま顧問と名乗ると、来月も報酬をもらう理由をクライアントに説明できません。

用意するもの中身無い場合
毎月出すもの月次レポート報酬の理由が消える
毎月会う場定例の打ち合わせ相談が来なくなる
数字を見る道具GA4とサーチコンソール提案が勘になる

GA4は無料のアクセス解析ツール、サーチコンソールは検索の表示回数と順位が見える無料ツールです。

技術を足す必要はありません。SEOも広告も動画も、全部を自分でやらなくて構いません。

要るのは、どれをやるかを決められることです。

分からないことを聞かれたらどうするか。ここで手が止まる人がいます。

その場で答えることは商品ではありません。一緒に調べて、一緒に決めることが商品です。

「調べて来週の定例で答えます」で問題ありません。毎月会う場があるから、それが成立します。

制作しかやってこなかった人が最初に足すのは、月次レポートです。

3つの中で一番早く始められて、価値が一番はっきり見えます。

実例

  • 2026年8月、三重の税理士事務所で自社の解析レポートを1社目として入れました。
  • GA4とサーチコンソールの数字を自動で集め、カタカナの用語を全部日本語に直したものです。
  • 「サイトに来た回数」「お問い合わせ」まで言い換えて、はじめて経営者と同じ画面で次を決められました。

全部できる必要はない。決められればいい

広告もSNSも、自分で運用しなくて構いません。

やるかやらないかを判断し、やる場合は誰がやるかまで決める。それが顧問型の仕事です。

だから返し方が変わります。「できません」ではなく「その施策は今の優先順位では3番目です」と返します。

この一言が出るようになると、相談される側に回ります。

月額をいくらに置くかは月額をいくらで請求するかの決め方で、継続案件そのものの取り方は継続案件を取るまでの全体の流れで扱っています。

ここまでの内容を、そのまま提案に使える形にまとめた資料を無料で配布しています。

月次レポートのひな形、提案書のひな形、運用支援メニューの一覧が入っています。

片方だけが得をする顧問契約は、必ず切れる

顧問契約が続く条件は1つです。クライアントの事業が伸びていることです。制作者の収入が安定するだけの契約は、半年から1年で切れます。

長期的にお互いが繁栄するには、両方が得をしている必要があります。

顧問型は、あなたの入金を納品ごとから毎月に変えます。納品しないと入金がない状態から抜けられます。

納品ごとの売上をどこから月額に置き換えていくかは、制作売上への依存を下げる順番で扱っています。

ただし、入金の形だけを目的にすると契約は続きません。

自分たちの提供するサービスによって、お客さんも成長していく。この関係がないと、長期的にお互い繁栄することはできません。

成果とお金が往復する続く顧問契約と、入金だけが一方通行になる切れる顧問契約を比較した図

注意

  • 顧問契約が切れる理由は、成果が出ないことではありません。
  • 成果が出ていないのに、毎月の報酬だけが続いている状態が理由です。
  • クライアントは金額ではなく、説明のつかなさで解約を決めます。

切れる顧問契約の3つの形

1つ目は、報告だけが毎月届く契約です。数字は出ているのに、次に何をやるかが書いてありません。

2つ目は、作業だけが毎月続く契約です。更新はしているのに、事業の数字に一度も触れていません。

3つ目は、相談が来なくなった契約です。毎月の打ち合わせが、近況報告で終わっています。

3つに共通するのは、クライアント側の得が説明できなくなっていることです。

あなたの側の得は、毎月の入金として続いています。だから気づくのが遅れます。

見るべき数字も変わります。表示回数や順位ではなく、問い合わせと売上で語れているかどうかです。

約束するのは成果ではなくプロセス

初月に伝えることが1つあります。何が効いていて何が効いていないかが分かるのは3〜6か月です。

先に言っておくと、待てないことによる解約が減ります。

目標の数値は、契約の最初に一緒に合意します。達成を約束はしません。

これは目標値であり、成果を保証するものではありません。未達でも返金や無償対応はしません。

保証しないなら価値がない、という反論もあります。ただ、こちらが保証しているのは判断に同席することであって、他人の事業の結果ではありません。売り物は最後まで、寄り添いながら伴走することです。

片方だけが得をする関係は続きません。

今日からやる3ステップ

顧問型は新規営業から始めません。今いるクライアントのうち1社を選び、来月分の月次レポートを出し、次にやることを一緒に決める場を作る。

この3つを1社で回すところから始めます。

1つ目は、相手を1社選ぶことです。制作を納品済みで、まだ運用の話をしていない相手が向いています。

2つ目は、来月分のレポートを1枚出すことです。数字は3つで足ります。

3つ目は、次にやることを一緒に決める場を作ることです。30分で構いません。

この場が2回、3回と続いた時点で、それはもう顧問型です。名乗るのは後で構いません。

1社目は無料の1回から始めていい

最初のレポート1枚は、無料で出して構いません。

ただし「無料で続ける」ではありません。「無料で1回だけ」です。

ここを曖昧にすると、無料の作業がそのまま固定されます。

2回目を出す前に、月額の話をします。「来月からは月額でこう関わります」と先に置きます。

まとめ

結論

  • 顧問型サービスは、作るのではなく「次に何をやるか」を一緒に決める月額契約です
  • 求められている理由はAIではなく、作る対象が増えて組み合わせる人が足りないことです
  • 制作→運用代行→伴走型→顧問型の4段階で、入金は納品ごとから毎月に変わります
  • クライアントの事業が伸びていない顧問契約は切れます。片方だけが得をする関係は続きません

顧問型は、新しい技術を覚えて名乗るものではありません。立ち位置の話です。

来月やることを、あなたが一緒に決めているかどうか。判定はそれだけです。

作る力は、そのまま持っていけます。使う場所が変わるだけです。

金額と期間の目安は、いずれも自社の契約・指導実績にもとづくものです(2026年6月時点)。

今日やることは1つだけです。

制作を納品したまま運用の話をしていないクライアントを1社選び、その1社の数字を3つだけ書き出す。

そこから、来月の打ち合わせが1つ増えます。

よくある質問

顧問型サービスと運用代行は何が違いますか?

運用代行は決まった作業を代わりにやる契約で、顧問型は次に何をやるかを一緒に決める契約です。

同じ更新作業をしていても、来月の内容を決めているのが誰かで別の商品になります。決めているのがクライアントなら、それは運用代行です。

制作しかやってきませんでしたが、顧問型は名乗れますか?

名乗れます。要るのは新しい技術ではなく、毎月出すもの・毎月会う場・数字を見る道具の3つです。

制作の経験があるほうが有利です。サイトの中身も業種も知っているうえ、決めた施策をそのまま実行まで持っていけます。

顧問型の月額はいくらから始めればいいですか?

帯を決めているのは関与の深さではなく、手を動かす業務が契約に入るかどうかです。

保守と更新代行だけなら月3万円前後で頭打ちです。実行を持たず判断とレポートだけの形が月5〜8万円です。

記事の作成やページ追加まで抱える形が月10〜15万円です(自社の契約・指導実績に基づく目安/2026年6月時点)。

顧問契約はどのくらいで成果が出ますか?

何が効いていて何が効いていないかが分かるのは3〜6か月です。初月に伝えておくと、待てないことによる解約が減ります。

回収が少し見えてくるのは6〜12か月です。期間も結果も保証はしません。

顧問型に切り替えると、制作の仕事は減りますか?

減りません。顧問契約の中から改修やページ追加が出てきます。

外から取ってくる制作から、契約の中で発生する制作に変わります。営業して取る本数は減っても、作る仕事そのものは残ります。

【メイン】

制作から顧問型へ切り替えるための資料一式を無料で配布しています。

運用支援メニューの一覧、月額プランの料金表、提案書のひな形が入っています。

【第2CTA】

・同じ課題の仲間と続けたい方へ → LoMaJinコミュニティ

栃本常善(とちもと つねよし)

株式会社マーケティング・エッセンシャルズ 代表取締役/Webマーケティングコンサルタント

中小企業1社につき1人のWebマーケターが伴走支援する状態をつくることを目標にしています。Webサイトの運用支援と、制作者が運用支援者へ移行するための講座を運営しています。

→ [栃本常善のプロフィール](/profile/)

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