中小企業1社につき1人のマーケターが伴走支援することをあたりまえに。

「AI検索対策って、やらなくても大丈夫ですか?」
2026年に入ってから、こう聞かれる機会が増えました。
AIを使えば、文章作成やWeb制作の作業を効率化できる。この話は、もう十分に語られています。
ただ、今回お伝えしたいのは、制作作業をAIで速くする方法ではありません。いま大きく変わり始めているのは、クライアントのお客様が、商品やサービス、お店を探す方法です。
これまではGoogleで検索し、いくつものWebサイトを比較して、自分で答えを探すのが一般的でした。しかし現在は、ChatGPTやGoogleのAI機能に質問し、AIがまとめた回答やおすすめを参考にする人が増えています。
この変化について理解していないと、クライアントから、
「AI検索対策も必要ですか?」
「llms.txtを入れたほうがいいと聞いたのですが、本当ですか?」
と聞かれたときに、根拠を持って答えられません。それどころか、SEO会社や別の制作会社からAI検索対策の提案が出てきても、その内容が本当に必要なのか、妥当な施策なのかを判断できなくなります。
だからといって、話題になっている施策を、何でも取り入れればいいわけではありません。Googleが公式に「必要ない」と説明している施策もあれば、効果を検証できるもの、現時点では正確に測れないものもあります。
この記事では、それらを整理したうえで、
を具体的に解説します。
これまで500サイト以上のWeb制作に関わってきた経験も踏まえ、2026年6月時点で分かっていることを、実務で使える形にまとめます。
AIを主に使う場面で最も多いのは専門的な相談で19.9%です。日常の購入判断は13.0%、高額・長期は11.8%にとどまります。相談はAIに移りつつありますが、どこに頼むかの判断はまだ移っていません。
| 場面 | 割合 |
|---|---|
| 専門的な相談 | 19.9% |
| 些細な疑問 | 15.5% |
| 日常の購入判断 | 13.0% |
| 高額・長期の購入判断 | 11.8% |
出典は総務省の令和8年版 情報通信白書です。2026年7月に公表されました。
調査は2026年1〜2月のWeb調査で、回答したのは1,236人です。割合は「AIのみ」と「主にAI」を足した数字で、白書の該当ページの図表Ⅰ-1-1-12に載っています。
この4行を上から見ると、AIの使われ方がはっきりします。
一番多いのは相談です。買うかどうかの判断になると、その半分近くまで下がります。
「専門的な相談」の19.9%は、調査が挙げた6つの場面の中で最も高い数字です。
歯科、士業、クリニックの入口の質問は、すでにAIへ移りつつあります。
「この症状は何科ですか」「この場合は何の届出が要りますか」。ここはもうAIが答えています。
ただし、答えを読んだ人が次にやることは変わっていません。どこに頼むかを、検索して選んでいます。
移ったのは相談です。どこに頼むかの判断ではありません。
入口がAIになっても、申し込みや来店の判断はサイトと検索に残っています。
最初に出会う場所が変わっただけで、決め手は変わっていません。
決め手はいつもと同じです。料金が書いてあるか、実績があるか、予約が取りやすいか。
入口の対策と、決め手の対策は別の仕事です。この2つを分けないと、順番を間違えます。
日常の購入判断でAIを主に使う割合は、年代で大きく変わります。20代は22.4%ですが、40代12.1%、50代5.9%、60代2.9%と下がっていきます。高額・長期の購入判断になると、60代は1.0%まで落ちます。
この調査は年代ごとに同じ人数を割り当てています。年代別はそれぞれ206人で、人口の構成比ではありません。
数字の取り方は表1と同じです。工務店、クリニック、士業、塾の主要客層は40〜60代にあたります。ここではまだ、AIが購入判断の主役になっていません。
一方で、20代の入口はすでにAIです。だからこれは「やらなくていい」ではなく、順番の問題です。

中小企業のAI導入率は20.4%です。導入目的の1位は業務効率化で87.0%、売上拡大は22.1%。足りない情報は成功事例が83.3%、選定情報が79.8%。困っているのは技術ではなく選び方です。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| AIを導入済み | 20.4% |
| 導入目的が売上拡大 | 22.1% |
| 成功事例の情報が不足 | 83.3% |
| 選定の情報が不足 | 79.8% |
出典は中小企業基盤整備機構の調査です。2026年3月に公表されました。
調査は令和7年11〜12月、回答したのは1,647社です。導入目的の22.1%だけは、AIを導入済みの331社に聞いた数字で、結果のポイントは中小企業のAI等の利活用に係る実態調査(PDF)に載っています。
見てほしいのは、3行目と4行目の高さです。
まず、AIを集客に使おうと考えている中小企業は、まだ少数です。AIを導入済みの企業でも、売上拡大・顧客獲得を目的に挙げたのは22.1%でした。
先に届いているのは業務効率化の話です。集客の話は、ほとんど届いていません。
そして、選ぶための情報がありません。成功事例が足りないと答えたのが83.3%、ベンダーや製品の選定情報が足りないが79.8%です。
公的支援に求めるものの2位も、情報提供で70.5%でした。
困っているのは技術ではありません。選び方です。
だから、制作者が売る新しいものは「AI検索対策」ではありません。AIを集客のどこに使うかを翻訳して、道具を選び、やらないことを決める関与です。ここでいう翻訳とは、相手の言葉を課題に置き換える作業を指します。
「AIで何かやりたい」を「問い合わせ前によく来る質問に、先に答えておきたい」に直す。ここまでやると、初めて見積が書けます。
「うちもAIで何かやったほうがいいですか」と聞かれた時点で、それはもう商談です。
導入目的の1位は業務効率化で87.0%でした。
議事録、文字起こし、資料作成。この話は経営者にも届いています。
届いていないのは集客側です。集客の側を、誰も翻訳していません。
そして集客側を翻訳できるのは、いまのところWebを見ている人だけです。
案件の取り方そのものは、継続案件を取るまでの全体の流れにまとめています。
Googleは生成AI検索向けの最適化ガイドで、5つの施策を不要と書いています。llms.txtの設置、コンテンツの細切れ化、AI向けの書き換え、構造化データの要件化、人工的なメンション獲得です。
根拠はGoogle 検索セントラルの公式ガイドです。最終更新は2026年7月10日。
| よくある提案 | Googleの記載 |
|---|---|
| llms.txtを置く | 検索では使っていない |
| 記事を細切れにする | 分割の必要はない |
| AI向けに書き換える | 書き方を変える必要なし |
| 構造化データの作り込み | AI検索の要件ではない |
| 他サイトへの言及依頼 | 思うほど役に立たない |

このガイドには、救いになる一文もあります。
SEOのベストプラクティスは引き続き有効です。
新しく覚え直すことはありません。AI検索専用のSEOというものが、そもそも存在しません。
この5つは、他社の提案書を検品する道具になります。
提案書にこの5つが並んでいたら、なぜ必要なのかを先に聞いてください。頭ごなしに否定する必要はありません。出典を並べて、一緒に判断すればいい話です。
なお「やらなくていい」は、何もしなくていいという意味ではない点だけ補足しておきます。実際に手をつけるべきことは、この記事の後半にまとめています。
llms.txt(AIに向けてサイトの案内を書くテキストファイル)について、Googleはガイドで「検索では使っていない」と明記しています。公式の記載として言えるのは、ここまでです。他のサービスでの扱いは別の話なので、各社の公表を個別に確認します。
コンテンツを細切れにすることについても、AIが読むために分割する必要はない、と書かれています。AI向けに書き方を変えることも同じです。
3つに共通しているのは1つで、「AIが読む用の別バージョンを作る」という発想そのものが要らない、ということです。
構造化データ(ページの中身を検索エンジンに伝える印)は、生成AI検索の要件としては挙げられていません。ただしこれは、無駄だという意味ではありません。リッチリザルトなど、これまでの用途はそのまま有効です。「AI検索のために作り込む」理由が無いだけで、ここを雑に伝えると誤解を招きます。
人工的にメンションを集めることについては、思っているほど役に立たない、とガイドに書かれています。「このメディアに載せてもらいましょう」という提案が来たら、この記載を根拠に一度止めてください。
Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートで、AI OverviewsとAI Modeの表示回数が見られます。ただしクリック数、CTR、掲載順位、検索クエリは含まれていません。
AI Overviewsは検索結果の上に出るAIの要約、AI ModeはAIと対話しながら調べる検索です。CTRは、表示回数に対してクリックされた割合を指します。この案内が出たのは2026年6月3日で、Google 検索セントラル ブログに掲載されています。
| 指標 | 見られるか |
|---|---|
| 表示回数 | 見られる |
| クリック数 | 見られない |
| CTR | 見られない |
| 掲載順位 | 見られない |
| 検索クエリ | 見られない |
詳しい項目はSearch Console ヘルプに載っています。

ここで1つ注意があります。このレポートは一部のサイトへの段階的な提供です。
だから「Search Consoleで測れます」とは言えません。日本での提供率も公表されていません。
やることは1つです。担当しているサイトのSearch Consoleを開いて、出ているかどうかを見る。それしかありません。
設定の「生成AI」から、AI機能への表示を除外することもできます。Googleは、この設定が検索の他の部分でのランキングや掲載のシグナルには使われないと書いています。根拠は除外設定のヘルプです。
除外を勧めているわけではありません。聞かれたときのために、覚えておいてください。
効果をクリックで証明する手段が、今はありません。
成果報酬は、成果を測れることが前提の契約です。クリックもクエリも見られない領域でこれを受けてしまうと、成果の定義を相手に握られることになります。「問い合わせが増えていないですよね」と言われたときに、AI検索の側で何が起きたのかを、あなたの手元のデータで示せないからです。
受け方は月額の中に入れます。単品の商品にしません。
期間の言い方も決めておきます。何が効いていて何が効いていないかが分かるのは3〜6か月です。
「半年で成果が出ます」とは言いません。6か月は仕込みが終わる時点で、回収の時点ではありません。
月額の請求の考え方は、月額をいくらで請求するかの決め方にまとめています。
流入が何割減ったという数字が、日本語でよく出回っています。使わないでください。
元の調査までたどれないものがほとんどです。出どころが確認できない数字を、クライアントへの説明に使わないでください。
減少に触れるなら、Pew Research Centerの調査に限ります。2025年7月22日の公表です。
出典はPewの記事です。
AI要約が出た検索で、結果ページのリンクがクリックされた割合は8%でした。要約が無い場合は15%です。
要約の中の引用リンクがクリックされたのは、全訪問の1%でした。
ただし、必ず3つを添えます。
1つ目。これは米国のデータです。成人900人が2025年3月に実際に閲覧した68,879件の検索を集計しています。
2つ目。Googleは反論しています。
オーガニック検索からのクリックの総量は前年比でおおむね横ばいで、質は上がっている。そうした見解を2025年8月に出しました。
3つ目。日本語の一次データはありません。
だからクライアントに「AIで流入が何割減ります」とは説明しません。説明できる根拠が、手元にないからです。
ここまでの内容を、そのままクライアントへの提案と月額の契約に落とせる形にまとめた資料を無料で配布しています。
運用支援メニューの一覧、月額プランの料金表の作り方、提案書のひな形が入っています。
Googleは公式ガイドで、Googleビジネスプロフィールを使うとAIの回答にも検索結果にも出やすくなると書いています。そこで整えるのは営業時間、料金、空き状況、予約の導線。記事より先です。
| 整える場所 | 中身 |
|---|---|
| 基本情報 | 営業時間・住所・電話 |
| 料金 | メニューと価格の掲載 |
| 空き状況 | 予約枠と混雑の情報 |
| 予約導線 | 予約ボタンとリンク |
ガイドに書いてあるのは、ビジネスプロフィールを使うと表示されやすくなる、というところまでです。この4つは、そこから逆算して整える順に並べました。
AIモードは2025年9月9日に日本語での提供が始まりました。案内はGoogleの日本語ブログにあり、地域のおすすめを探すときにも役立つと説明されています。
ただし、どれくらいの検索でAIの回答が出るのかは、日本語の数字が公表されていません。
だから発火の割合では判断しません。判断の材料は別にあります。
先にやるのは記事ではなく、ビジネスプロフィールです。

「いくらですか」「今日空いてますか」「何時までですか」。この3つは、人にもAIにも同じように聞かれています。そして書いていない情報は、人にもAIにも伝わりません。
だからこれはAI対策ではありません。情報の欠落を埋める作業です。
電話口で毎回答えている内容を、料金ページとビジネスプロフィールに先に書く。
この記事の中で、いちばんすぐ着手できるのがここです。
AIがユーザーの代わりに店へ電話する機能は、米国だけの提供です。
出典はGoogleの発表です。
日本で始まったとは書けません。「日本でも近く始まります」とも書きません。予測を断定にしないでください。
ただ、設計は読み取れます。Googleは事業者側の制御を、ビジネスプロフィールの設定に置きました。
事業者はこの機能への対応を、プロフィールの設定で調整できる。そう案内されています。
機械が見に来る先は、ビジネスプロフィールだという前提です。
日本で何が始まっても、整備の優先順位は変わりません。
売るのは4つです。AI検索での現在地を1枚にすること、やらない施策を提案から外すこと、ビジネスプロフィールと予約導線を整えること、AIの使いどころを翻訳すること。単品では売りません。
| 売るもの | 中身 |
|---|---|
| 現在地の1枚 | 表示回数を確認して報告 |
| やらないことの整理 | 不要な施策を提案から外す |
| ローカルの受け口 | 料金・空き状況・予約導線 |
| 使いどころの翻訳 | 事例と道具を選んで渡す |
この4つは新しい商品ではありません。いま持っている月額支援の中に入れるものです。
単品の商品にしない理由があります。測れないものを単品で売ると、翌月に「で、効果は?」で終わります。
表示回数しか見られないのですから、単品で値段を付ける根拠が作れません。
1つ目の「現在地の1枚」は今日から着手できます。Search Consoleを開いて、生成AIのレポートが出ているかどうかを確認するだけです。
出ていなければ、「まだ出ていない」もそのまま報告になります。何も出ていないと分かること自体に、意味があるからです。
値段の考え方だけ書いておきます。提案とレポートが中心で、実行が最小限なら月5〜8万円。コラム記事の作成・投稿やページ作成といった実務代行まで入るなら、月10〜15万円が目安です。
これは自社の契約・指導実績に基づく例で、市場の相場ではありません(2026年6月時点)。
「AIに詳しくないと売れない」ではありません。やらないことを言える人が、いま最も少ないからです。
提案が通らない理由は、知識が足りないことではありません。足し算しかできないことです。
「あれもやりましょう、これもやりましょう」の提案書は、金額だけが上がります。
5つのうち不要なものを外せる人が、結果としていちばん信用されます。
他社の提案書を否定する必要はありません。出典を並べて、一緒に判断します。
「Googleのこのページに、こう書いてあります」。これだけで会話が変わります。
月額メニューの組み方は、運用支援と保守の違いと、月額メニューの組み方にまとめています。
統計は総務省と中小企業基盤整備機構の調査、施策の可否はGoogleの公式ガイドが出典です。
今日やることは1つだけです。担当しているサイトのSearch Consoleを開いて、生成AIのレポートが出ているかどうかを確認してください。出ていなければ、「まだ出ていない」という事実が、そのまま報告になります。
呼び名が違うだけで、指しているものはほぼ同じです。
Googleは生成AI検索向けの特別な最適化は不要で、SEOの基本がそのまま有効だと書いています。名前で商品を選ばないでください。
相場と呼べるものは、まだありません。効果をクリックで測る手段が提供されていないため、単品の商品として値付けする根拠が作れません。
いま持っている月額支援に含めるのが現実的です(自社の実績に基づく考え方・2026年6月時点)。
Googleは公式ガイドで、Google検索ではllms.txtを使っていないと書いています。Google検索向けには不要です。
他のサービスでの扱いは別の話なので、各社の公表を個別に確認してください。
Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートで、表示回数だけ見られます。
ただし一部のサイトへ段階的に提供されています。対象かどうかは、実際にアカウントを開いて確認してください。
依頼する前に、提案書にllms.txtやAI向けのリライトが入っていないかを見てください。
Googleが不要と書いた施策が並んでいたら、なぜ必要かを先に聞きます。それだけで判断できます。
クリック単位で測れないため、期間の約束はしません。
何が効いていて何が効いていないかが見えるのが3〜6か月です。そこまでは仕込みの期間だと、先に伝えておいてください。
【メイン】
制作から運用支援へ切り替えるための資料一式を無料で配布しています。
運用支援メニューの一覧、月額プランの料金表、提案書のひな形が入っています。
【第2CTA】
・自分のクライアントの場合はどうかを聞きたい方へ → 無料セミナー
栃本常善(とちもと つねよし)
株式会社マーケティング・エッセンシャルズ 代表取締役/Webマーケティングコンサルタント
中小企業1社につき1人のWebマーケターが伴走支援する状態をつくることを目標にしています。Webサイトの運用支援と、制作者が運用支援者へ移行するための講座を運営しています。
→ [栃本常善のプロフィール](/profile/)
投稿者プロフィール

栃本常善
株式会社マーケティング・エッセンシャルズ代表取締役/ローカルWeb集客の専門家
ローカルビジネスWeb集客の専門家としてこれまで90業種以上600社超の企業や店舗、個人のWeb制作〜マーケティングに関与。「中小企業1社につき1人のWebマーケターが伴走支援することを当たり前に」をミッションに、ローカルマーケターコミュニティ「Lomajin」を運営。全国各地で中小企業に寄り添って活躍するWeb支援者を多く輩出するために、「Webサイト運用支援者養成講座」にも注力している。